(3)話すスピード 
 
 話すスピードも状況によってコントロールできなければいけません。

 最近、メディアでお見かけする方々は、昔に比べて話すスピードが速くなっているように感じます。コメンテーターとして出演されている弁護士やコンサルタントの方々は、頭の回転が速いため、どうしても話すスピードが速くなるようです。
 視聴者もそのスピードに慣れてきているのか、特にクレームもないようです。

 しかし、印象に残したい言葉や大切な情報は、声を大きくするよりもスピードを落とすことによって強調する方が効果的です。アナウンサーは、原稿を読んでいても重要な個所で、自然とスピードを調整することができます。

 たとえば、犯人が逃走中だというニュース原稿では、犯人の特徴はゆっくりとお伝えしますが、ラスト1行についてくる「警察では、犯人の行方を追っています」というフレーズは、かなり早口になります。1枚の原稿でも急緩を巧みに利用し、大切な部分を記憶に残すしゃべりができるのです。