(2)声のトーン

 7色の声という表現がありますが、アナウンサーは依頼を受けた仕事に応じて、さまざまな声を使い分けます。ニュース、ナレーション、現場からの中継と、TPOに合わせて声を使い分けられるのです。

 最も一般的にイメージされるアナウンサーの声は、ニュースや提供枠を読むときの低め安定の発声でしょう。聞いている方に信頼感を持っていただける発声です。アナウンサーの基本ですね。

 一方、ナレーション録りでは、内容によってさまざまな声のバリエーションが求められます。子供向けの声で親しみやすさを出すアニメの番宣、BGMに負けずに声を張らなければならない音楽番組のPR、ドキュメンタリーのナレーションなど、アナウンサーの腕の見せどころです。

 私は、さまざまな声が求められるナレーションのお仕事が大好きです。

 映像と音楽にナレーションがピタリとはまったときに、ワクワクする高揚感と達成感を得られます。皆さんも、番組やCMで素敵なナレーションを聞いたときは、自分ならどのように表現するのか、練習してみてください。