(1)声の大きさ

 普段から大きな声で話す必要はありませんが、アナウンサーは多くの方々に情報を伝えることが仕事のため、状況に応じて声のボリュームを上げなければならないときもあります。

 もちろんマイクの助けを借りて、のどに負担がかかりすぎないように調整していただくこともありますが、いたずらに声を大きくすると声をからしてしまいますので、場の空気を振動させ、ボリュームを上げなくても遠くまで届く声というものをイメージしながら発声してみましょう。

 自分が弦楽器になったとイメージしてください。

 まずは肋骨の内側の空気を振動させ、その振動が壁や天井を伝わり、聴衆の最後列までしっかり届いていることを感じながら話してみてください。人にものを伝えるには、けっこうなエネルギーを必要としますので、大切な情報を熱意をもって伝えたいときには、自然と声にも力が入ります。

 そして、自分が出したエネルギーの分しか相手に伝わらないと意識しながら、話してみましょう。この小さな意識の変化により、あなたの言葉の説得力は大きく増すことでしょう。